公益社団法人日本歯科技工士会

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入れ歯感謝デー市民公開講座

 2018年10月8日(月・祝)、東京・有楽町駅前にある東京交通会館において2018年入れ歯感謝デー市民公開講座を開催し、延べ130名の方々にご来場いただきました。
 ラグビーW杯(2019年)、東京オリンピック・パラリンピック(2020年)を控え国民のスポーツへの関心が高まる中、「歯とスポーツのとてもいい関係」をテーマに開催した今年は、各種講演等を通じて、スポーツ分野に歯科がどのように関わっているかをご紹介し、スポーツを楽しむための口腔ケアやマウスガードの重要性等について周知することができました。
 
開会式
 はじめに日本歯科技工士会・杉岡範明会長が主催者を代表し、「健康寿命にとって歯と咀嚼することの大切さを幅広い世代に知っていただくとともに、将来の職業を模索する若い方々においては、歯科医療を支える歯科技工士の仕事についても理解を深めていただきたい」と挨拶を行いました。
 続いて、7~8月の2カ月間にわたり募集をした「ははは川柳」の入選作品の発表を行いました。川柳専門誌や川柳情報サイトなどを通じ広く募集した結果、昨年を上回る2,497句もの応募をいただき、その中から選ばれた特選1句、秀句3句、佳作10句を発表しました。(入選作品の詳細はこちら

 
講演「健康を支える歯科技工士の仕事」
 「健康を支える歯科技工士の仕事」と題し、歯科技工士はどのような仕事をしているのか、歯科医療においてどのような役割を果たしているのかについて、日本歯科技工士会・森野 隆副会長が講演を行いました。
 講演の中で森野副会長は補てつ物の簡単な分類を示し、歯科技工指示書に従って製作している手順や、現状における保険診療と自由診療の違い等の解説を行いました。自由診療に関しては、インプラントの術式やメリット、デメリットを説明するとともに、前歯の色調再現や形態一致のための歯科技工士の高度な技術を紹介し、歯並びを直すための矯正装置や体の一部を製作するエピテーゼについても紹介しました。
 また、今回のテーマであるスポーツと歯科の関りとして、スポーツマウスガードに関して市販製品と比べ歯科技工士が製作したものの優位性等の説明を行いました。

 
講演「根拠のない自信を信じろ!~根拠は自ずとついてくる~」
 元ラグビー日本代表・大畑大介氏により「根拠のない自信を信じろ!~根拠は自ずとついてくる~」と題する講演が行われました。
 大畑氏はラグビー日本代表としてワールドカップに二度出場し、その実績からアジア勢で2人目のラグビー殿堂入りを果たしました。現在は出身の神戸製鋼のアンバサダーを務めるほか、ラグビーワールドカップのアンバサダーや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会委員も務めています。
 講演で大畑氏は、演題である「根拠のない自信を信じろ!」に関連し、根拠とは先人が作った統計的なものと捉え、その根拠から脱した経験の中で、自身の精神に強く影響を与えた言葉や人々を紹介するとともに、そこから認識を新たにした自身の役割と、マイナスをプラスに変えるポジティブな考え方について語られました。良い時に見えないものはたくさんあり、悪い時にしか見えないものがある中で、悪い時に自分がそれにどうアプローチするかが重要だと説かれました。
 また、ラグビーというスポーツは社会の縮図であり、一人ひとりがそれぞれの役割を全うしてこそ、初めて組織として機能し力を発揮できるものだとし、それと同様に普段の生活においても、それぞれが周りに依存することなく、与えられた仕事を100%全うすることにより、周囲の人間関係も広がってゆくものだと語られました。

 
講演「スポーツと歯科の関わり」
 続いて「スポーツと医療の関わり」と題し、一般社団法人日本スポーツ歯科医学会理事長であり明海大学学長でもある安井利一先生にご講演いただきました。
 ご自身が歯科医師としてスポーツと関わった経緯として、過去のオリンピックで歯痛などによりベストパフォーマンスが発揮出来ない選手が多数いたことを受け、日本としてオリンピック強化指定選手制度が1987年に導入され、選手に内科、整形外科、歯科の受診が義務付けられたことが始まりであると語られました。
 その後、1990年にアメリカオリンピック委員会の診療所に赴いた際、立派な環境での健康診断と、マウスガードもきちんと印象を採り歯科技工士が製作している現状に遭遇し、日本との違いを痛感したそうです。現在では日本もしっかりした環境整備を進めスポーツをサポートしています。
 また安井氏は、スポーツ医学の中での歯科の目標として、国民の健康づくりと同様に、栄養、運動、休養を基盤として、歯が無くなることによる運動への影響、スポーツによる外傷予防、そして競技力の向上を重要視していることを説明されました。
 そして歯の外傷に関して、実は歯は外力に弱く抜けやすいものであり、外傷を防ぐためのマウスガードは市販の製品ではなく、歯科技工士が製作した一人ひとりに合うものが安心・安全であると語られました。

 
トークセッション
 最後のプログラムとして、スポーツと歯科の関わりをテーマに、上記3名の講演者によるトークセッションが行われました。
 ラグビーを通じて多くの怪我の経験のある大畑氏に、口腔に関する怪我の経験やマウスガードに対してのご意見などをお聞きすると、安井先生から専門的な知識の説明ありました。森野副会長からは製作者の立場として、カスタムと呼ばれることの本当の意味と、昨今の技術進展の速さについてお話がありました。
 今後については、安井先生から、外傷予防という目的とは別にスポーツのパフォーマンス向上という観点でマウスガードがどのように影響するのかを学会として研究していることが説明されました。また、大畑氏からは、子供たちには外傷予防の観点からきちんと製作されたものを装着して競技を行ってほしいとの要望が出されました。
 最後は質疑応答の時間を設け、来場者からのさまざまな質問に対し、講演者から丁寧かつ適切な回答がなされました。

 
歯科補てつ物展示
 例年同様に入れ歯展示コーナーを設け、さまざまな入れ歯を展示して来場者にご覧いただきながら、製作方法や機能、材料等の解説を行いました。

 


過去の市民公開講座

2017年入れ歯感謝デー市民公開講座
2016年入れ歯感謝デー市民公開講座
2015年入れ歯感謝デー市民公開講座
2014年入れ歯感謝デー市民公開講座
2013年入れ歯感謝デー市民公開講座
2012年入れ歯感謝デー市民公開講座

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