公益社団法人日本歯科技工士会

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『日本歯技』2022年2月号巻頭言



歯科技工士として学び続ける姿勢
 
 口腔の健康は日々の生活の質を左右し、全身の健康、さらには人生の満足度にまで影響を及ぼすことが最近の研究で明らかになってきた。故に、歯科専門職の一員である歯科技工士の果たす役割もさらに重要になってきている。
 ここ数年、歯科技工もデジタル化が進み、昔のように技術習得に一定の期間がかかる時代から、卒後すぐにCADでデザインし、CAM機で製作することも可能な時代になってきた。その意味でメリットもある反面、画一的で出来上がった歯科補綴物に明らかな格差が出てきているのも事実である。
 先日、余命を自覚することとなった患者さんの義歯製作の依頼を受けた。この方は「今は食べることだけが楽しみだ」と聞き、予定よりかなり早めに納品したところ、患者さん本人、家族、担当歯科医師から過分な感謝の言葉をいただいた。歯科技工士としてやりがいと嬉しさを感じる出来事だった。このような些細なことに充実感を持つ歯科技工士は少なくないと思う。この前提にはしっかりと機能し、患者さんが満足するものでなければならない。そのために我々は己の感覚に籠らずに研修等を通じて切磋琢磨する必要がある。
 コロナ禍によって、こうした学ぶ場を提供する主催側も変化している。日技生涯研修は昨年より会場併催のハイブリッド型WEB研修も認定されているが、いずれは講師、受講者が全てWEBのみで行われる研修も認定される可能性がある。他団体ではすでに、講演のみならず実習を伴うものもWEBのみで行われている。いかに見やすく、理解しやすくするかを試行錯誤しながら日々進化している。当然、日技生涯研修も情報通信技術の発達に即した開催方法を取り入れ、進化し続けなければならない。
 大切なことは、今後いかにデジタル化が進んでも、やはり基本となる知識、技術、経験は不可欠であり、自身を磨く努力は生涯忘れてはならない。日技生涯研修の進化を期待しながら、歯科技工士として学び続ける姿勢を持ち続けて欲しい。
 
 

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