公益社団法人日本歯科技工士会

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『日本歯技』2022年4月号巻頭言

『日本歯技』2022年4月号 巻頭言

労災保険の特別加入制度について

 20年ほど前、歯科技工業務に伴う粉じん等の吸入により呼吸器障害の発生が懸念されると医学界からの報告があった。近年の作業環境の改善により、じん肺の症例数に関してはごく少数に止まっているが、歯科技工士実態調査報告書によると就労時間中のケガや病気は少なからず起きるし、模型等の感染対策も十分に行われているとは言いがたい。
 労災保険は、本来、労働者の業務又は通勤による災害に対して保険給付を行う制度であり、これまで労働者に分類されない、いわゆる一人親方の歯科技工士は労災保険に加入できないことになっている。
 しかし、労働者でない者についても、一定の条件のもと任意加入を認める特別加入制度がある。これは、社会経済情勢の変化も踏まえ、国民に対する意見募集(パブリック・コメント)及び関係団体からのヒアリングを行い、労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会における議論を経て、特別加入の対象範囲を拡げるものである。
 厚生労働省医政局歯科保健課の仲介があり、同省労働基準局労災管理課と準備を重ね、2月1日には労災保険部会のヒアリングに出席し、一人親方の歯科技工士を特別加入制度の対象範囲にしてもらうよう要望を行った。
 日技定款には会員の相互扶助に関する事業等を行うとの規定があり、その理念に基づき会員慶弔規則を定め、死亡弔慰金、高度障害等の見舞金等の給付を行ってきた。日技厚生会も規約を定め、厚生会に加入する会員のための弔意・見舞金制度を適正に運営してきた。これらに加えて、日技が特別加入団体の担い手に承認される状況は整いつつある。
 労災保険の特別加入は、公益社団法人として歯科インフラの一翼である歯科技工所の業務上災害を保証する意義は高い。また令和2年度衛生行政報告例によると、全国の歯科技工所数20,879カ所のうち15,932カ所が、業務に従事する者が一人の歯科技工所であるという。この一万五千余りが社会保障の対象になることは公益であり、一人で従事する歯科技工士の利益になると考える。
 今後は労働災害防止についての研修内容を検討し、生涯研修制度、指定研修制度へと進展させ、都道府県歯科技工士会における労働災害防止研修会の実施、啓発パンフレットの配布等を進めて行きたい。

 

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